VOICE

クローバー
ボヌール
ステーキ栃木/大田原町
レストラン、カフェ、バーと、さまざまな顔を持つ注目店「クローバーボヌール」

那須烏山にあるステーキの名店「クローバーステーキハウス」。こちらのオーナーが満を持して、2010年3月にオープンさせた姉妹店が「クローバーボヌール」だ。

閑静な川沿いで一際目立つ、南欧風のオシャレな建物が目印。店内はレストラン、カフェ、バーの3つのスペースに分かれており、その日の気分や用途に応じて使い分けることができる。

個性的なこだわり空間をプロデュースしたオーナーだけあって、料理に対しても一切妥協がない。地元の有機野菜や自家製の米といった食材だけでなく、料理の基本となる水もコーヒー用や氷用などで使い分けるといったこだわりようだ。パスタ、肉・魚料理から選べるメインと、オードブル、プチサラダ、スープ、パン、ライス、プチソルベ、ドリンクがセットになった「ボヌールセット(1850円)」は、そのこだわりすべてが味わえる。

決してアクセスがいい場所にあるとは言えないにもかかわらず、女性客を中心に賑わいを見せている「クローバーボヌール」。ランチタイムはもちろん、ディナータイムもオープンと同時にたくさんのお客様がつめかけるほどの人気ぶりだ。

「快適な空間、おいしい料理、心地よいおもてなし。この三拍子が揃っていなければ、お客様からは認めていただくことはできません」と山口オーナー。この盛況ぶりこそ、オーナーの言う三拍子が完璧に実現されていることの現れだろう。


店内
カウンター
お店の看板
オーナー 山口 久雄 氏オーナー
山口 久雄 氏

「クローバーボヌール」の出店計画を練り始めてから完成まで、実に2年もの年月を要しました。自分がイメージする空間をスケッチし、それをもとに設計を依頼。外観や客席同様、厨房も同様の手法で手掛けていきました。「クローバーステーキハウス」と違って、こちらではオープンキッチンを採用。その理由は、作り手の顔が見えてお客様に安心していただけるキッチンをぜひ実現させたかったからです。

「クローバーステーキハウス」での経験から、火を使うため、厨房内の温度はどうしても高くなりがちなのでスタッフの肉体的負担を考慮してIHコンロを導入することも決めていました。当初はIHコンロの火力に半信半疑でしたが、ショールームに足を運んだり、実際に自分の家で使ったりしてみて、その実力に納得。安心してコンロのIH化に踏み切ることができたのです。

「クローバーボヌール」では、調理スペースとは別にベーカリールームとアイスルーム、総菜室を設置し、また厨房から離れたところには、パントリーを2ヵ所設けています。このような特殊な設計のため、タニコーの担当者である絹川さんも最初は戸惑ったようでしたが、何度も打ち合わせを重ねる中で図面を引き直しながら、レイアウトから動線の確保、厨房機器の選定まで、こちらの要望に見事に応えてくれたのです。

そもそも「クローバーステーキハウス」では他社に依頼したにもかかわらず、2店舗目でタニコーを指名した理由は、厨房機器に対する知識力の高さでした。それに実際に設計を進めていく中で、技術力の高さにも驚きました。いろいろ無理なお願いもしてきましたが、絹川さんの口から「できません」という言葉を聞いたことがありません。タニコーは、私の我がままに100%応えてくれる心強い存在なのです。

厨房
厨房
厨房
水戸営業所 係長 絹川 晃弘水戸営業所 係長
絹川 晃弘

「そんな厨房を、どうやって作るんだろうか?」

山口オーナーからお話をちょうだいしたときは、正直驚きました。レストランがあって、カフェがあって、バーがあって、ベーカリールームやアイスルーム、総菜室まである。「クローバーボヌール」の厨房は、今まで私が担当してきたものとはあまりにもスケールが違いすぎました。

また飲食店の設計は、回転率を計算して客席を確保してから厨房スペースを考えるのがセオリーですが山口オーナーの場合は、先に厨房ありきだったのです。「料理人が快適に働ける厨房でなければ、お客様を感動させられるお料理は提供できない」という強い信念を持ち、厨房設計へのこだわりは並々ならぬものがありました。お話をいただいてから完成するまでに引き直した図面の数は、ゆうに100枚を超えたと思います。

当初の予定では、オープンキッチンに揃えてベーカリールームもオープンな空間にする予定でしたが、調べていくうちに、それだと保健所の営業許可が下りないことが判明。けれども山口オーナーは、「お客様が入り口のドアを開けた途端に、パンを焼くところが見える」という演出にこだわられていました。そこで前面を大きなガラス張りにして、中の様子がよく見えるベーカリールームを設けることに。また両側にスライド扉を設置してもらい、厨房やパントリーからの行き来がしやすいよう工夫しました。そのほか、IHコンロの横に保温用の鉄板スペースを設けたり、どの方向からでも操作しやすいようサラマンダーを回転式にしたりと、いろいろなご提案をさせていただきました。ステンレス製の棚の底部に基礎を組むことで、棚と地面の隙間をなくして清掃性もアップ。また、IHコンロを導入したこともあり、「掃除がしやすい」というお声をちょうだいしております。

私たちの仕事は、お客様の夢の実現をお手伝いすること。そのためにできることであれば、努力はいっさい惜しみません。自社で取り扱いがない製品でも、業界のネットワークを活用するなどして要望に応えられる体制を整えています。不可能に挑み続けることで、自分も成長できる。私にとって「クローバーボヌール」は、いろいろなことを経験させていただいた〝修業の場〟だと言えるのです。

厨房
厨房
オーナーと担当者
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / クローバーボヌール

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