横浜中華街を代表するメニューのひとつ「梅蘭やきそば」。カリカリに焼き上げた麺の中に、アツアツの餡に包まれた豚肉やモヤシ、ニラなどの野菜がギッシリ入った逸品だ。
肉まんにヒントを得て、1987年に誕生。今では横浜中華街に欠かせない名物料理へと成長を遂げた。
「梅蘭やきそば」を提供しているのは、上海料理や中華の創作料理が100種類以上揃う名店「梅蘭」。横浜中華街にある市場通り店をはじめ、首都圏を中心に14店舗を展開する人気の中華料理店だ。ららぽーと横浜店やテラスモール湘南店など、商業施設のフードコートにも出店。横浜中華街の名物メニューは今や、首都圏の至る所で気軽に食べられるようになった。
東京都世田谷区にある、二子玉川ライズ店もそのひとつだ。店内は二子玉川という高級志向の人々が集まる街にふさわしい洗練された雰囲気で、訪れる人の多くは女性だという。
平日休日、昼夜問わず、店内は常にお客で賑わっている。もちろん、皆のお目当ては「梅蘭やきそば」。「何度食べても、また食べたくなる」と、その味の虜になる人が後を絶たない。
横浜中華街を代表するメニュー「梅蘭やきそば」が、二子玉川の名物になる日もそう遠くないかもしれない。
実は、横浜中華街の市場通り店を立ち上げたときは、別の厨房機器メーカーにお願いしていましたが、2店舗目となる渋谷店の出店と同時にタニコーに変更。その理由は、同社の中華レンジに惚れ込んでしまったからです。中華料理は、〝火力が命〟。同社の中華レンジ「エンペラー」の火力の強さを実際に目にした瞬間、「コレしかない」と心を動かされました。実際に導入して、その使いやすさに感動。あのとき思いきってタニコー製品に切り替えて、本当によかったと思っています。それ以降新たに出店するときの厨房はすべてタニコーにお願いしています。
タニコーの魅力は、何も厨房機器の性能の高さだけではありません。当社を担当してくれている横浜営業所の石井さんは、とても頼れる存在。フードコートに出店している店舗では、その施設によって「オープンキッチンでなければダメ」また、その逆で「キッチンが見えないようにしなければならない」等、ある程度ルールがありますが、そのような制限があるなかでもそれぞれの店舗に合わせて最適な提案をしてくれます。
また、厨房機器は毎日フル稼働しているため、長年使用しているとどこかしら不備が出てくるもの。そんなときでも、すぐに飛んできてくれて、困ったことがあれば、とことん相談に乗ってくれる。そのようにメンテナンスをはじめとしたアフターフォロー体制がしっかり整っている点も、私たち料理人の大きな安心につながっています。
タニコーとは渋谷店出店以来、もう7年ほどの付き合いになりますが、厨房機器の性能の高さや、メンテナンス体制の充実だけでなく、担当者のそういった〝人としての魅力〟が大きな信頼につながっているのだと感じています。
仕事というのは、結局は人と人の信頼関係で成り立つもの。最初に担当をしてくれて、現在は所長になられた横浜営業所の望月さんと、現担当の石井さんは、仕事の大切なパートナーです。けれども、私にとってはそれ以上の気心を許して付き合える、〝兄弟〟のような存在です。
「梅蘭」さんでは、どの店舗でもほぼ同じ厨房機器を導入しています。ですから新店を立ち上げる際の私の主な仕事は、細かな部分についてのご提案を行うこと。たとえば二子玉川ライズ店の場合、中華レンジや餃子グリラー、ゆで麺器といった火を使う厨房機器を、一直線上に並べることでフードや排気ダクトの設置が一ヶ所ですみ、コストダウンに成功したのです。カウンタースペースには使い勝手を考え折り畳み式の台を取り付け、ステンレス加工の技術も積極的に活用しました。また、テラスモール湘南店や三井アウトレットパーク木更津店のようなフードコートの場合は、外から厨房が丸見えの状態。ですから、排水管にまでステンレスカバーを取り付けてお客様に見えなくするなど、空間演出に細心の注意を払うようにしています。さらに、中華料理は料理に油を使うことが多いため、厨房が汚れやすい。そこで厨房機器や棚に直接水をかけて掃除ができるよう、ステンレス加工による工夫を随所に採り入れて清掃性の高い厨房づくりに注力しています。
私たちの仕事は、厨房機器を〝売って終わり〟ではありません。むしろ、売ってからのメンテナンスのほうが大切。中華レンジや食器洗浄機が故障してしまったら、お店の営業に大きな打撃を与えてしまうからです。当社ではスピーディな対応を実現するために、各営業所ごとにメンテナンススタッフを配属。営業スタッフとメンテナンススタッフの連携を密に取り、迅速かつ確実にお客様をサポートできる体制を整えているのです。
「梅蘭」さんの厨房は、すでに5店舗の厨房を担当しました。けれどもこれまで一度も、藤江オーナーからお褒めの言葉を頂戴したことはありません。「タニコーなら、こちらの要望に応えられて当たり前、それ以上のことを期待している」。こちらの勝手な想像ですが、当社に対してそのようなお気持ちで接していただけているからではないかと思っています。現在も、新たな店舗のオープンに向けて準備を進めているところ。これからもオーナーの期待に応えて事業拡大のお役に立てるよう、全力で仕事に取り組んでいきたいと思っています。