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La Lucandaイタリア料理福岡県/福岡市
毎日手打ちで作る生パスタは、モチモチとした食感が絶品の「ラ ルカンダ」

「この店のニョッキは、どこかで昔食べたような気がするんだけど…」

2011年12月にオープンしたイタリア料理店・ラ ルカンダのオーナーシェフ・藤本慶輔シェフは、オープンして間もない店で、あるお客様からこんな奇妙な声をかけられた。思い当たるのは、父の味…。藤本慶輔シェフが恐る恐る、「うちの父も、カサーレという店をやっているのですが…」とお客様に伝えると、「そう、そうだ、カサーレの味だよ!」と、十数年前の記憶が蘇り、奇跡的な味の再会をとても喜んだという。

「お客様も喜んでくれましたが、私も鳥肌モノで(笑)、料理の持つ力、そして、カサーレと父の偉大さを改めて感じました」

実は、藤本慶輔シェフは、カサーレ(casale)のオーナーシェフ・藤本和則シェフのご子息(次男)。そして、このニョッキは、いつか自分の店を持つようになったら、必ずメニューに加えようと考えていたのだとか。

ラ ルカンダは、予約だけで満席になってしまう日もあるという盛況ぶり。人気の秘密は、父譲りのニョッキと福岡ではまだ珍しいという生パスタだ。

「これから、必ず福岡でも生パスタがくると思います。うちの店がその発信源となる、そんな意気込みでやっていますよ」(藤本慶輔シェフ)

毎日手打ちで作る生パスタは、モチモチとした食感が絶品。カサーレにペペロンチーノがあるように、ラ ルカンダには、生パスタがある。早くも名店の予感がする、いい店である。


店内テーブル
お店の外観
内装
オーナーシェフ 藤本 慶輔 氏オーナーシェフ
藤本 慶輔 氏

今回、厨房作りでタニコーさんにお世話になった一番の理由は、カサーレの父と兄が薦めてくれたことでした。それと、これは偶然なのですが、修行時代の店でタニコーを使っている店が多かったんです。特に、スチームコンベクションオーブンなどは、使い勝手を熟知していましたし、父や兄の薦めがなくても、タニコーの製品を選んでいたと思います。

厨房を作るにあたっては、自分の夢で、やはりオープンキッチンと言うのがありました。カサーレがそうだったから、ということもあるかも知れませんが、やはり、お客様の反応をみたいという気持ちがあるんですね。ただ、プランニングの段階で、担当の鬼木さんといきなり意見が衝突してしまったのが、厨房の火元をどこに持っていくかということでした。お客様と相対しながら、料理を作るのが普通とのことと薦められましたが、私は、盛り付けをする場面を客席に見せたかったんですね。

鬼木さんは、客に背中を向けて料理する姿をみせないほうがいいというアドバイスをくれましたが、どうしても私も譲れなかった。最後には、「やっぱりお父さんの子ですね」と言って、納得していただきましたが(笑)

でも、最初にこの一件があって、すごく良かったなと思います。タニコーという会社は、言われるままに何でもやれば良いという会社じゃなくて、店のことをちゃんと考えてくれているんだということが分かりましたから。実際に、その後厨房を作っていく中で、私の知らない知識、アイディアをどんどん出していただいて、本当に助かりました。

はじめての店で、予算も限られている。でも、やりたい事はたくさんあるし、入れたい機器もある。そうすると、大切なのは取捨選択なんですが、「ここは絶対にケチらずにやったほういい」「これは、この機器じゃなくても代用が利きます」とか、すごく的確にアドバイスしてもらえた。これは、多くのお客様を持っていて、たくさんの経験をしていないとできないことです。厨房は幾つか作って、自分好みの最高のものにすると言いますが、私は、最初の厨房づくりで非常に満足度の高いものを作ってしまった気がしますね(笑)

厨房
タニコーの厨房機器
タニコーの厨房機器
福岡営業所 所長代理 鬼木 学福岡営業所 所長代理
鬼木 学

前任者より、カサーレ様を引き継いだ時に、一言言われたのは「とても厳しいお客さまだよ」ということでした。程なくして、それを体感することになるのですが(笑)、私は、カサーレ様の藤本和則オーナーと仕事をさせていただく中で、本当にたくさんの勉強をさせていただいたという思いがあります。

もちろん、厳しさはありますが、それは自分に対する厳しさで、こんなに長い間店を繁盛させ続けている所以がそこにあるのだと思います。当社がこの店の厨房を作らせていただいた時には、私は担当者ではなかったわけですが、13年経った今も、納品した当時のままといっても過言ではありません。もちろん、年季は入っていますが、すべての機器は最初のままで現役ですし、その管理、手入れは驚異的です。それだけ店に愛情を持ち、自分に厳しくやってきた方なのだと、厨房を見ても分かるのです。

また、現在は長男の慎一さんも店に加わりましたが、お父様である藤本和則オーナーに輪をかけたきれい好き(笑)。当社としては、10年もすれば、そろそろ新しい機器に替えていただけるころなのですが、慎一さんがいる限り、まだまだピカピカ現役の厨房で在り続けるのではないかと思います。

実は、慎一さんと私は同級生で、子供の頃から地域の野球チームで戦った仲。偶然にも、担当したカサーレ様の藤本和則オーナーの息子さんが慎一さんということで、今では、公私ともに仲良くしていただいております。

また、今回は、次男の慶輔さんが出店した、ラ ルカンダ様の厨房も手がけさせていただいて、本当に感謝しています。慶輔さんもやはり、藤本一族の血を感じる一徹さを持つ方でしたので、時には意見が衝突しましたが、想いがブレないので、仕事は非常にやりやすかったです。

最近は、お父様がラ ルカンダのスチコンを見て気に入っていただいたようで、「カサーレにも入れてほしい」と言われているのですが、せっかく最高のバランスで存在しているあの厨房に無理に入れないほうがいいのでは? と助言させていただきましたら、本当に営業なのか?と笑われました。

でも、当社の営業は、モノを売るのが営業だとは思っていません。その店を繁盛させる、その店に来るお客さまに喜んでもらう、そこまで見据えて仕事をする事がタニコーの営業なんです。売ってくれって言われているのに売らない、確かにヘンな営業かも知れませんが、お父様にはラルカンダ様を、慎一さんや慶輔さんにも同業者のお友達をご紹介いただき、厨房を作らせていただいています。皆さんに心から感謝するとともに、これからも自信を持ってタニコーの営業を続けていきたいと思います。

La Lucanda(ラ ルカンダ)藤本 慶輔シェフ
casale(カサーレ)藤本 慎一シェフ
藤本慶輔氏との対談
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / La Lucanda(ラ ルカンダ)

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