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アルシミストフランス料理東京/白金高輪
五感を刺激する、新スタイルの斬新なフレンチレストラン「アルシミスト」

白金高輪駅からほど近くにある、紫色のポップな扉が目印のフレンチレストラン「アルシミスト」。こちらはパリの名店「ル・シャトーブリアン」をはじめ、フランス各地で8年間の修業を重ねた山本健一シェフが切り盛りする店だ。“ガストロノミー・ポップ”をコンセプトに、形式的で堅いイメージの強いフランス料理を自由な発想でアレンジ。大衆のガストロノミー(=美食)としてみんなで楽しめる店を目指し、2011年7月にオープンさせた。

メニューは、シェフおすすめのコース1種類のみ。前菜から魚料理、肉料理、デザートまで、驚きや楽しさをテーマにした個性的な料理を堪能することができる。「生のカリフラワーの意外なシャキシャキ感だったり、チョコケーキを思わせるようなユニークなソーセージの盛りつけだったり…… 食感や視覚からも驚きと楽しさが提供できる料理を目指しています」と山本シェフは語る。

空間は、ヨーロッパのレストランなどで見られる「シェフズテーブル」をイメージ。フレンチレストランでは珍しいオープンキッチンスタイルで、全席から厨房の様子をうかがうことができる。シェフの見事な手仕事を眺め、ときにはシェフとの会話を楽しみながら……。スタッフとゲストが一体となって盛り上がれるのも、大きな魅力となっている。“五感をとことん刺激する、大人のための遊び場”。「アルシミスト」は、そう呼ぶのにふさわしい注目のレストランなのだ。


お店の外観
ナイフ
料理
オーナーシェフ 山本 健一 氏オーナーシェフ
山本 健一 氏

厨房作りでこだわったのは、機能性はもちろんのこと、見た目もそれ以上にこだわりました。オープンキッチンにすることは最初から決めており、とにかくかっこいい厨房を作りたかったんです。タニコーさんとは知り合いの紹介で出会ったのですが、「使いにくくてもいいので、かっこよくしてください」とオーダーしました(笑)。

素材はオールステンレスのヘアライン仕上げで、テーブルスペースを確保しつつ、IHレンジとスチームコンベクションとサラマンダーを置いて……といった具合に、自分の中でのイメージはほぼ固まっていたんです。ただ私が思う“かっこよさ”をタニコーさんとしっかり共有できるかが、最初は心配でした。けれども私のイメージを具現化するために、いろいろなサンプル写真を撮ってきて見せてくれたり、よりかっこよくなるよう逆に提案してくれたり。営業の砂原さんをはじめタニコーさんのおかげで、思い描いていた以上にスタイリッシュな厨房が完成しました。

使い勝手は度外視していたのですが、実は機能性も抜群。当初プランになかった「バーミックス※」専用の保管スペースを設置するなど、きめ細やかな配慮もありがたかったです。これまでさまざまな厨房で働いてきましたが、完璧な厨房というのは普通はあり得ません。当然ここでも実際に使い始めたら不備が出てくると思っていたんです。ところがオープンから約8ヵ月が過ぎても、何も問題が出てこない。それどころかリラックスできるお気に入りの空間になってしまい、せっかくの休憩時間もずっと厨房にいるくらいなんですよ。

またタニコーさんのすごさは、厨房設計の技術だけではありません。実は軽い気持ちで、「厨房と同じヘアライン仕上げのステンレスを使って、ウェルカムプレートを作りたい」という話を持ち掛けたんです。そしたら非常に難しい折り加工が必要なデザインにもかかわらず、予想を超えるクオリティのものが完成。実物を手にしたときは、思わずテンションが上がってしまいました。その後にオリジナルのワインクーラーもオーダーしたのですが、こちらも素晴らしい出来映え。高度な技術を有した“ステンレス加工のプロ集団”であるのも、タニコーさんの大きな魅力だと実感しました。

自分のアイデアをカタチにしてくれる、頼もしいチームメイト。タニコーさんは私にとって、単なる厨房機器メーカー以上の存在なのです。

キッチン
調理の様子
スタッフと
本社第一営業部 営業第一グループ 主任 砂原 正浩本社第一営業部 営業第一グループ 主任
砂原 正浩

山本シェフと最初にお会いして驚いたのは、厨房に関する知識の豊富さ。必要な厨房機器をすべて揃えた場合の電力量まで、ご自身でしっかり把握されていたのです。「アルシミスト」さんを担当させていただいて私たちスタッフは皆、その熱意に心を打たれました。

それだけ研究熱心な方ですから、依頼を受けたときにはすでにシェフのなかで厨房のイメージが出来上がっていました。そのため細部にわたるまで、シェフのイメージを具体的に把握するのは非常に難しかったです。ですから打ち合わせの際には必ず、雑誌の切り抜きやサンプルの厨房写真をいくつも持参。それを見ていただいてフィードバックを受けることで、シェフがどんな厨房を目指しているのかが徐々に見えてくるようになりました。集めた資料はその都度ファイリングしていたのですが、最終的には10cm以上の厚さにまで膨れあがったんですよ。

限られたスペースでいかに機能的な厨房を作り上げるかは、タニコーの腕の見せどころ。ですから山本シェフが考える「かっこいい厨房」のイメージを共有できれば、あとの作業はスムーズに進むと思っていました。ところが厨房の図面がある程度完成した頃に、東日本大震災が発生。福島にある当社の工場も被害を受け、「アルシミスト」さんに納品する厨房機器の製造予定が立たないという状況に陥ったのです。天災の影響とはいえ、私たちのせいでオープン日を遅らせるわけにはいきませんから、正直焦りました。けれども全国各地にある弊社工場の連携があったため、何とか7月のオープンに間に合わせることができたのです。不測の事態が発生した場合にも迅速に対応できる、幅広いネットワークと強い結束力。これも、タニコーの大きな強みだと再確認できました。

実は「アルシミスト」さんが完成したとき、レセプションパーティの案内状を頂戴したんです。「プレスや関係者ばかりなのに、伺ってもいいんですか?」と戸惑う私に、山本シェフは「当然じゃないですか」と応えてくれて。その言葉を聞いたときは、本当にうれしかったですね。

厨房
厨房
シェフと担当者
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / アルシミスト

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