VOICE

ラ・ロシェル山王フランス料理東京/赤坂
五感を刺激する、新スタイルの斬新なフレンチレストラン「ラ・ロシェル山王」

昨年12月、赤坂のザ・キャピタルホテル東急に華々しくオープンした、フレンチレストラン『ラ・ロシェル山王』。日本で最も有名なフレンチシェフの一人、ムッシュ坂井こと、坂井宏行さんが満を持して出店した注目の店だ。

「この店のコンセプトを一言で言えば、カジュアル。今の時代、今のお客さまを考えて、料理も、店の雰囲気も、そして料金も肩肘張らずに気軽に楽しめるものにしました」

渋谷、青山、福岡に続く出店となった『ラ・ロシェル山王』を、今までのどの店とも違う、新しい挑戦と位置付けるムッシュ。フレンチはこうでなければダメ、そんな常識を覆してきたムッシュだが、この店では、さらにそれを進化させている。

「今のお客さまが求めているものなら、何をやってもいい。極端な話、おいしい魚が入った時には、塩焼きにしてレモンを添えるだけが一番おいしいと思えばそれでいい―」と、ムッシュは言い切る。

また、「料理人はこだわりをもっちゃダメ。誰に何を言われようとも、お客さまを喜ばせたら勝ちなんだから」とも。料理人としてのエゴやこだわりを捨てた、徹底した顧客目線。口うるさい評論家を、こうしたブレない料理人哲学と、客たちの賛辞で黙らせてきたムッシュの真骨頂が、この店でも十分に発揮されている。


お店の看板
内装
内装
オーナーシェフ 坂井 宏行 氏オーナーシェフ
坂井 宏行 氏

僕の店は、今までみんなタニコーさんにお願いしています。その理由は、僕が厨房に何を求めているかを知り尽くしているから。レストランには、お金を生む場所と、そうでない場所があるけど、厨房はお金を生むとても大切な場所。それだけに僕は一切妥協を許さない。もちろん、厨房を任せる相手も選びます。

タニコーさんとは長い付き合いですから、今回も非常にやりやすかったですね。いろんなこと言わなくても、「ムッシュはこういうのが好き」とか、「これをやったら怒られる」とか、みんな分かっていてくれるから(笑)。

ただ、ここ山王店の厨房は、厨房に使えるスペースがとても狭かったので、簡単ではなかったと思います。僕の他の店に比べても圧倒的に狭い。でも、厨房はお金を生み出す大切な場所ですから、狭いからという言い訳を僕は許さない(笑)。今回は、うちの川島シェフを責任者として作らせたのですが、経験も少ないのでずいぶんと頭を悩ませていたようです。

僕が川島シェフにアドバイスしたのは、図面と実際は違うよ、ということ。図面上で通路幅が60㎝確保できていても、ドアを開けたときに、その通路が20㎝になってしまう、20㎝では人は通れない。図面は完璧、動線も完璧だけど、できてみたら使いづらかった…、なんてことがよくあるのが厨房なんです。

でも、タニコーさんは、そういった細かなところまで気が回りますし、問題があれば知恵を絞って一緒に考えてくれる。今回も川島シェフと打ち合わせを繰り返していましたけど、最終的にはなんとかしちゃうのがタニコーさんでね(笑)。

この厨房は、狭いながらも使いやすいベストなものができたと思っていますが、実は僕が一番気に入っているのは、厨房の全面に使ったグリーンです。今までも赤を使って、自然とテンションが上がる環境を作っていたんですが、ここでは初めてグリーンを使ってみました。これが奇しくも、タニコーのコーポレートカラー!(笑)。色の調整にずいぶんと手間をとらせてしまいましたけど、納得のいく色が出たので、厨房に入る度にこの色にしてよかった、と思ってます。

僕は、いい料理を作るために、働く環境はすごく大切だと考えています。昔は3Kなんて言われた料理人の労働環境ですけど、今はそんな中ではやはりいい料理は作れない。厨房もどんどん進化しているんです。タニコーさんは、厨房の環境にもすごく力を入れていて、料理人の目線で提案してくれたり、アイディアを出してくれたりするので本当に助かりますね。そういう点では、単なる厨房メーカーではなくて、パートナー。これからも、もっといい店にするために、末永くお付き合いしていただきたいですね。

厨房
厨房
厨房
東京営業部 営業二課 高野 眞一郎東京営業部 営業二課
高野 眞一郎

「ブルゴーニュのレストランで、すばらしいグリーンの厨房を観たんだよ」

ムッシュからそんな言葉をお聞きして、今回の厨房作りはスタートしました。グリーンの色サンプルも何度お見せしたでしょうか(笑)。

思えば、ムッシュとの仕事は、いつも課題を出されてそれをクリアしていくという、私にとっては常に緊張感のあるものでした。今回も、客席数に対して厨房スペースが狭く、かなり難易度の高い仕事。ウエディングをするとなると、80名のお客さまに一度に料理を出せることが求められていたのです。

レギュラー営業も、ウエディングも全く同じ、一切手を抜かないのが坂井流。もちろん、それを実現する厨房にも、おのずと高いクオリティが求められます。さらに、厨房のスタッフが快適に、無理をしないで働けてこそいい料理が作れる、というのもムッシュの信念。

厨房の床を見ていただくと分かるのですが、そこにはふかふかのカーペットが敷いてあります。これは、長時間の立ち仕事になるスタッフに対して、少しでも足腰の負担を軽減してあげようという親心。カーペットは、十数年前に導入したのですが、清掃の負担もずっと軽減されるために、スタッフの皆さんとお話をすると、「もうカーペットのない厨房では働けない」とおっしゃいます。

このカーペットの件もそうなのですが、ムッシュと仕事をさせて頂く度に感じるのは、常に新しい技術やアイディアを探していて、いいものを見つけると、臆することなくどんどんそれを使っていく勇気をお持ちなことです。

厨房を仕事場にされてきた方の中には、私どもが新しい調理機器などを紹介しようとすると、「うちには必要ないよ」と即答される方も多いのですが、ムッシュは、いつも興味を持ってくださいますし、逆に、新しい情報を教えてくださることもあります。日本一のフレンチシェフでありながら、まだまだ貪欲に進化することをやめない─。私も、タニコーも、こうしたすばらしいお客さまと仕事ができることに感謝しています。

厨房
厨房
シェフと担当者
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / ラ・ロシェル山王

ページのトップへ