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KOJIMAフランス料理福岡県/福岡市
最高にこだわり続ける、老舗フレンチの名店「フランス料理 KOJIMA」

1983年の開店以来、地元福岡はもちろん日本全国の食通たちを唸らせてきたフレンチの名店『こじま亭』が、慣れ親しんだ西中洲から浄水通り(中央区)へと移転。

『フランス料理KOJIMA』としてリニューアルオープンした。

場所が変わり、店名は変わっても、全く変わらないのは、“最高”を求める小島シェフのこだわり。

予約時に客の嗜好を聞き、それを念頭に置きながら、その日に市場で仕入れた最高の食材をメインに据えた料理を作るのが小島流のディナーコース。ただし、「言われたままの料理は作りません(笑)。予想以上の満足、驚きを提供するのが私たちの仕事ですから」(小島シェフ)と、ここにも最高を求める故のこだわりが…。

食材、料理法、空間演出と、小島シェフのこだわりは多岐に渡るが、それは決して独りよがりではなく、すべてお客さまに“最高”を提供するためであることに感服させられる。

名実ともに“九州一のフレンチシェフ”と謳われる小島シェフ。新天地『フランス料理KOJIMA』でも、その輝かしい歴史に新たなページを刻み続けるに違いない。


店内
テーブル
ワイン
オーナーシェフ 小島 孔典 氏オーナーシェフ
小島 孔典 氏

全くのゼロからスタートとなった今回の厨房作りは、まず、基本コンセプトと私がやりたいことをタニコーさんに伝えて、新しい提案も含めた設計図を出してもらい、そこに細かな注文を出させてもらいました。すべてをこちらの注文通りとしなかったのは、厨房も常に進化してますから、タニコーさんからもどんどん新しい提案を聞きたかったからです。実際に、タニコーさんの提案で採用したシステムや機器も幾つもありました。

今回の厨房では、私自身もはじめての試みにトライしています。それが、“見せる厨房”です。フランス料理KOJIMAに来店されたお客さまは、席にご案内する途中で、必ずガラス張りの厨房の横を通ることになります。厨房が覗ける 程度の窓を作っている店はありますが、うちの店は全面ガラス張りといっていい大きさ。もちろん、はじめて来店された方はとても驚かれますし、足を止めてしばらく眺めている方も少なくありません。

私が今回見せることにこだわったのは、食の安心安全への関心が高まっている中で、どんな人間が、どんな環境で料理を作っているかがお客さまの大きな関心事となっていると感じたからです。

ただし、そこまでこだわるからには、清潔で安心安全が確認できる厨房であればいい、というものではありません。やはりそのデザイン、見た目の美しさまでお客さまにアピールできなくてはならない。例えば、フランスレンジですが、その取手のカタチや大きさにまで注文を出しました。ですから、うちのフランスレンジは、見た目の美しさも追求した世界に一つしかないオリジナル。同業者にもどこでここまでやってもらえたの?と聞かれますが、この厨房は、タニコーさんで なければ、絶対に最後までやり遂げていなかっただろうと感じています。

おかげさまで、“見せる厨房”は大きな反響を呼びました。もちろん、集客にも大きく貢献してくれていますが、実は、そこで働く私たち料理人にとってもいい変化が生まれています。それは、常にお客さまに見られているという緊張感が刺激になり、よりよい仕事へと繋がっていることです。

私は、厨房は料理人が、命をかける場所だと思っています。ですから、その厨房作りを任せるということは、命を預けることです。タニコーさんにお願いした理由は、私のこうした想いを理解して、常にベストを尽くしてくれるからです。店を成功させるためには、様々な人間のチームワークが必要ですが、タニコーさんもその一人。タニコーさんは、これからもフランス料理KOJIMAになくてはならない、大切なスタッフだと思っています。

厨房
厨房
厨房
福岡営業所 所長 蓮尾 孝志福岡営業所 所長
蓮尾 孝志

小島シェフとは長年お付き合いをさせていただき、料理はもとより厨房に関しても妥協を許さない、常に最高を目指す方であることは十分に分かっていました。ですから、今回も、その期待に応えられるように精一杯の仕事をさせていただきました。

最初に小島シェフから基本コンセプトを頂き、レイアウトを考える際に留意したのは、小島シェフの技が十分に生かせる機能性でした。機能性や使いやすさに関しては、小島シェフがどんな厨房をお好みなのかは熟知していましたし、タニコーとしても多くのノウハウを持っていますので、シェフに認めてもらえる自信はありました。ただし、今回は“見せる厨房”というテーマがありましたので、レイアウトに関しても、機器の設置に関しても、機能性や使いやすさだけではなく、お客さまから見られることを考慮しなければなりませんでした。

“見せる厨房”以外でもこの厨房には、さまざまな工夫がありますが、象徴的なのがディッシュウォーマーです。小島シェフが理想とするディッシュウォーマーをお聞きし、イチから製品化したのですが、今回のウォーマーは天板下部からの発熱でお皿を温めなくてはなりませんでした。熱は、下方向になかなか伝わらず、苦労しました。最終的には、温冷配膳車に使用する遠赤外線を利用したヒーターを使って、ウォーマーを完成することができました。その間、工場の技術者とも侃々 諤々、何度も試作を繰り返しましたが、やはりそこは技術屋の意地で、最後まで無理とは言いませんでした。

また、もう一つ忘れることができないのが、納品寸前、最終チェックの段階でダメ出しをされてしまった、ある機器の取手です。この取手はお客さまから見て美しいものを、ということで、ステンレスの削り出しで特別に作ったものでしたが、デザイナーさんから、「手の大きなシェフには、取手が小さすぎる」との指摘を受け、土壇場で作り直しをすることになりました。

この件に関しては、正直言いまして、一瞬「そこまでやりますか…」と思いましたが(笑)、確かに、小島シェフの手の大きさにまで思いを巡らせていなかったことは事実で、大いに反省させられました。

私は、厨房作りに携わるようになって18年になりますが、この厨房は、その集大成とも言える最高を目指したものだと自負しています。納品の際には、小島シェフからお褒めの言葉を頂きましたし、店をオープンしてからも、使い勝手がいい、同業者やお客さまからよく褒められるよ、という言葉を小島シェフから頂き、大変嬉しく思っています。

厨房
厨房
シェフと担当者
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / フランス料理 KOJIMA

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